インフルエンザのワクチン接種は午前中に行う方が効果的 ただし・・

先日、あるテレビ番組にて、ワクチン接種は午前中が効果的とのお話を耳にしました。ただし、これは高齢者に焦点を当てた研究ですのでご留意ください。面白そうだったので少し調べてみました。こちらが元となった論文です。

PubMed
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27129425

Vaccine. 2016 May 23;34(24):2679-85.
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264410X16301736

研究の背景として、季節性インフルエンザには以下の特徴があります。

  • 毎年25-50万人が亡くなっている
  • 亡くなるのは主に、新生児(very young)、高齢者(elderly)、慢性疾患(chronically ill)を持つ人
  • 高齢者はワクチンの効きが悪い(抗体の産生量が少ない) ←今回はここが重要

また、体内時計のリズムが免疫反応に影響を及ぼす報告があることから、この研究グループはインフルエンザのワクチン接種を午前(9-11 am)と午後(3-5 pm)に分けて、抗体力価などを調べました。被検者は65歳以上、平均71歳、合計276人です。

結果は、午前にワクチン接種した方が抗体力価が高いことが分かりました。A/H1N1株のp値は0.03、B株は0.01、一方でA/H3N2株は0.35で有意差なし。特にA/H1N1株に関しては、午前接種は午後に比べて約4倍の抗体力価が確認できました。これが本当ならお金を掛けずにワクチンの効果を高められるのでいいですね。もっと大規模な臨床研究が行われ、再現性やメカニズムを裏付けできるデータが得られることを望んでいます!

2016.12.06 追記 ここ数日、DeNAのWELQというネットメディアによる剽窃が問題になっています。記事を書く側としてすぐにできることは、一次情報と執筆者の表記だと思います。ということで、書いていなかったこのブログ記事の執筆者を追記します。

VARCARE店長 小山

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