ナポリの仕立屋DALCUORE について
イタリア・サルト界の巨匠 ルイジ・ダルクオーレ氏
DALCUOREはルイジ・ダルクオーレ(Luigi Dalcuore)氏が立ち上げたサルトリア(スーツ仕立屋)です。
ルイジ氏はクラシコイタリアの中心都市ナポリで1945年に誕生し、1964年からサルト(テーラー)の修行を始めました。1968年に独立してからはすぐに地元で絶大な人気を博し、現在ではナポリを代表するサルトの巨匠として、日本を始めアジア、ヨーロッパ、アメリカ、中東など世界中にファンがいます。
マニカカミーチャが代名詞
スーツのスタイルは、ナポリ仕立ての代名詞でもあるマニカカミーチャ(雨降り袖、シャツ袖とも呼ばれる)が最も特徴的です。
これはまるでシャツのような機動性に優れた腕回りの設計を、おしゃれなデザインとして発展させた、まさにイタリア人の芸術的才能を象徴するかのような技です。
日本でも販売
DALCUOREの既製スーツやジャケットは日本国内でも輸入スーツのセレクトショップなどで購入することができます。また、年に2回(2月と8月前後)ルイジ氏自ら来日してオーダー会を行っています。
既製スーツは約30万円、オーダースーツは約50万円からとなっています。日本で販売されている量販スーツに比べると高い価格となっていますが、一着一着が職人の手で作られています。
一人の職人が一ヶ月に作ることができるスーツは4着程度 であると言われています。その手間と生地代、輸出コスト、閑散期などを考えるとテーラーは大変な職業であると言われていますが、DALCUOREはその中でも世界的に成功しているサルトリアの一つです。
ナポリで最もモダンなスタイル
クラシックとモダンの融合、DALCUOREはよくこのように形容されます。イタリアスーツの聖地であるナポリのスタイルを継承しつつも、決して古臭くならないように進化し続けています。それを象徴するかのように、現在のアトリエは木の温もりが感じられるようないわゆる典型的なサルトリアではなく、白い壁一面に飾られたおしゃれな現代アートと窓の外に広がるナポリ湾に囲まれています。南イタリアの海風で呼吸した白衣を1着いかがですか。
基本はス・ミズーラ
ス・ミズーラ(Su misura)とは「あなたのサイズに合わせて」という意味で、オーダースーツのことを指します。ナポリではDALCUOREを含めてス・ミズーラを中心に展開しているサルトリアが今でも数多く残っています。一方、ファッションの都ミラノでは、最新のトレンドを素早く取り入れて発表・販売するために、プレタポルテ(既製服)のスーツブランドが中心となっています。
プレタポルテも重要
DALCUOREが仕立てるスーツやジャケットはス・ミズーラ(オーダースーツ)が大半ですが、毎年プレタポルテ(既製スーツ)を発表しています。70歳になったルイジ氏は、今でも創作意欲が衰えることなく常に新しいスタイルを探求しています。それを形として表現したものがプレタポルテであり、ルイジ氏とお客さんのイメージの距離を縮める上で重要な役割を果たしています。
白衣の共同開発
ルイジ・ダルクオーレ氏とはナポリで3回、東京で1回お会いし、その間にサンプルを2回作製して白衣の完成に至りました。実は初回サンプルの完成度がとても高かったので、2回目はほぼ微調整で済みました。当ショップはお医者さんから頂いた機能的な要望のみを伝え、それ以外はDALCUOREのスタイルで白衣をつくりました。